日本茶

日本食(和食)がユネスコの無形文化遺産に登録されたが、この日本食と切っても切れない関係にあるのが日本茶(緑茶)である▼日本茶は、お茶の葉を発酵させずに作られ、健康によい成分をそのまま残すことができるため、健康志向も手伝って、今や世界的なブームになっている。このため国内外からお茶の効能に関する研究成果が目につくようになった。「大腸菌O157に緑茶のカテキンが特効」、「発ガン物と緑茶を一緒に飲ませたマウスでガン発生率が50%以下に」等々▼確かに、日本食や日本茶に注目が集まるのは大歓迎だが、文化的な側面から見ると少し考えねばならないこともある。イギリスの人類学者によると、人が社会の成員として獲得した能力や習慣を総じて文化というそうだ。和食や日本茶が日本の文化というならば、日本における長年にわたり培われてきた風習・習慣をはじめ、精神性、社会性、地域性などを包括してのことだろう▼ところが日本の家庭から、まな板や急須が消えつつあるというのだ。もっともこうした傾向は日本に限ったことではないらしい。お茶を嗜む習慣で有名な英国でも、紅茶の需要が激減し、それに伴いティーポットの姿がなくなりつつあるという。そこにはティーバッグやペットボトルの台頭がある。便利で、手軽ではあるのだが…。文化も時代と共に進化すると言ってしまえばそれまでだが▼お茶にまつわる素養を日本人はもとより海外の人にも発信していくべきだろう。