「KAGRA」格納トンネル掘削完了

重力波観測装置KAGRA(レーザー干渉計型望遠鏡)が完成した。重力波を直接観測しようという装置で、現在、宇宙で発生している重力波イベント(連星中性子星の合体など)を観測しようというものだ▼一方、3月17日、重力波発見か?というニュースが世界中を駆け巡った。南極点に設置された宇宙背景放射専用望遠鏡BICEP2が、インフレーションに伴う重力波の証拠をマイクロ波観測によって発見したというものだ▼インフレーション理論によると、宇宙は無から生まれた後、量子宇宙が加速的に急膨張し、それが終わるときにビッグバンが起こって、現在の宇宙構造が形成されていったという。量子宇宙はプラズマ状態であるため、現在の観測手法で直接観測することはできない。つまり宇宙観測では、遠ければ遠いほど過去の状態を知ることができるが、その限界点がビッグバンである。重力波によって、ビッグバン時の宇宙マイクロ波背景放射に特定の偏光パターンが形成されるが、BICEP2はその偏光パターンを発見した▼だが、重力波の強さを表すr(テンソル)の値が、これまでの衛星による観測から予測されていたものより大きいため、重力波を間接的に発見したと思われるものの、他のグループによる確認が必要であるという。チリのアタカマに設置されたPOLARBEAR(日本など5カ国が参加)でも、宇宙背景放射のマイクロ波観測が行われている。この結果によっては、BICEP2の観測値は覆されるかもしれない▼いずれにしろ、天体観測は可視光やX線、マイクロ波といったものから重力波へと展開しつつある。知的好奇心を満足させる研究は、人類共通の資産である。