科学技術・イノベーション政策

日本の産業を再生させるため、その基盤となる科学技術の分野でイノベーションを起こそうと、政府は科学技術・イノベーション政策の推進に力を入れている。世の中を大きく変える、破壊的革新をもたらす技術を創生させるのがねらいであるが、では、どういう技術なのか▼例えば、急速に世界に普及発展したインターネットや携帯電話は、人々の日常の仕事や生活のあり方などを変化させたという意味では、大きな革新である。しかし、これらはパソコンや光通信、半導体集積回路、情報処理などの技術が融合し、総合的に進歩を遂げたことによって実現したものであり、これらのいずれの技術が欠けても、今日のような大きな普及・発展は望めなかったであろう▼そういう意味では、個々の技術というより、今日の情報通信革命につながった、一連の技術革新の流れをイノベーションと呼んだほうがよいのかもしれない。そして、インターネットなどとして技術革新の流れが大きく実ってきたときに、イノベーションと認識されるものではないだろうか▼そうだとすれば、これから大きく実り、イノベーションにつながりそうな技術の流れは、日本でも結構ありそうだ。例えば、世界でも日本が先行している二足歩行ロボット。既に様々な二足歩行ロボットが開発されており、人工知能や情報通信技術など関連技術も進歩している。それらが融合して総合的に発展し、実る時代が近づいているかもしれない▼携帯電話も最初は大きな自動車電話であった。インターネットも研究者間で利用されていたものが一般に広く普及した。現在ではまだ未熟で高価な二足歩行ロボットだが、何かを契機に普及が始まるかもしれない。東京オリンピックをその機会にしたらどうか。