理研CDB

理研CDBには優れた人材採用システムがあったが、それが機能しなかった。今回のSTAP問題の原因の一つとして、研究不正再発防止のために改革委員会の提言書やCDB自己点検検証委員会は、採用システムの機能不全を取り上げている▼提言書では、その背景には「iPS細胞研究を凌駕する画期的な成果を獲得したいとの理研CDBの強い動機があったと推察される」と判断しているが、これだけではどうにも腑に落ちない。確かに竹市センター長が言うように「非常に魅力的な研究だと感じた」というのは、初めてSTAP細胞のことを聞いた研究者としては自然な反応だといえる。しかし、だからといって応募書類が間に合わなかったり、面接当時に提出された書類に推薦書がついていなかったことの説明にはならない。さらに言えば、機密性が高いとしても、非公開の英語によるセミナーを行わない理由はない▼ライフサイエンス系は近年、急激に投資を増やしたため、他の分野と比較してアカデミックポストが足りず、また博士の企業への就職率も低い。それだけ厳しい競争にさらされているということだ。だからこそ、公明正大なプロセスがより求められている▼世界から見てRIKENというブランドは高い評価を得ている。実際、理研の研究者を経て、欧米の著名な大学や研究機関で活躍する日本人も多い。今後、理研がどのような改革を実施するかは世界が注目しており、日本の研究に対する信頼性にも直結する。もちろん、人事採用に関しては理研だけの問題ではなく、日本の多くの大学に公正なプロセスが求められており、若手研究者のモチベーションやモラルの向上にもつながる重要な要素である。