生活習慣病

今後の生活習慣病研究においては、ライフステージのすべての段階において臓器や生体システムを横断する分野融合的な研究を推進し、発症・合併症予防法の開発へと研究を発展させることが必要-日本学術会議はこのほど報告『生活習慣病研究のあり方』をまとめ公表した▼生活習慣病とは生活習慣(life style)が要因となって発生する疾患の総称で、「食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等の生活習慣が、その発症・進行に関与する疾患群」と定義される。加齢による区分である成人病と重複する疾病も数多いが、別個の概念である▼わが国においては、メタボリック・シンドローム、糖尿病、心血管病といった生活習慣病の罹患患者数は数千万人にも及んでおり、今後さらに増大すると見込まれていることから、発症予防とともに重症化や合併症の予防が健康寿命延長における極めて重要な課題となっている。さらに、医療経済上の負担が財政を圧迫し、社会保障体制の維持が困難になってきているといえよう▼生活習慣病についてはこれまで、個別臓器や個々の生体システムに特化してその発症機序・予防策に関する研究が進められてきたが、それだけではこの疾患群の本質を理解し、実効性のある対策を講じることは難しい▼こうした状況を踏まえ、今回の報告では「生体の制御システムを理解したうえで、その破綻としての生活習慣病を臓器横断的に捉え、その制御技術を開発する。そのためには、臨床医学とライフサイエンス、ヒトゲノム科学、情報処理科学、医用工学などの他の学術領域との連携が不可欠である」と訴えている。