イノベーション

1日1・25ドル未満で生活する極度の貧困にある人々は約12億人、世界人口の約16%に相当する。世界銀行のキム総裁は、政策研究大学院大学との共催イベント「世銀総裁と語る:開発にイノベーションが果たせる役割とは?」で「(世界銀行の設定した目標である)2030年までに極度の貧困にある生活者の割合を3%まで削減するため、知識の普及によるイノベーション創出とスキルの向上が必要だ」と話した▼イノベーションというと、すぐに革新的研究開発成果をベースにしたものを考えてしまうが、この日のイベントで登壇した若手イノベーター達の取り組みは違った▼エチオピアで羊の革からブランドバックを製作し、日本で販売する鮫島弘子・(株)andu amet代表。バングラデシュなどの貧困地域の高校生に映像授業を行う税所篤快・e-Education Project代表。途上国に義足製作技術を根付かせる活動を行っている遠藤謙・ソニーコンピュータサイエンス研究所アソシエートリサーチャー。子供へのプログラミング教育や自治体のオープンデータ化と活用を進める福野泰介・(株)jig.jp社長。新しいビジネスモデルで途上国に商品を届ける濱川知宏・コペルニクプロジェクトマネジャー。イノベーションのかたちやアプローチは様々だが、貧困・格差などの問題を解決しようという情熱は全員が持っている。ディスカッションの中でも、それぞれの思いが伝わってきた▼現在、研究計画の独創性、これまでの実績、研究の成果、制度の整合性など、様々な観点から評価が行われているが、最も重要な事は、それにかける情熱であるということを忘れがちである。情熱を持った若者を育て、出る杭を伸ばしていく事こそが、いま求められている。