日本の子どもの健康問題

 「日本の将来推計人口」に基づく試算によれば、わが国の総人口は2010年の1億2806万人から長期の減少傾向に向かい、48年には1億人を割り、60年には8600万人台になることが見込まれている▼こうした少子化傾向に歯止めをかけるため、これまでにエンゼルプラン、子ども・子育て応援プラン、子ども子育てビジョン等、様々な対策が打ち出され、それなりの成果が得られている。とはいえ、子どもの心身の健康における重大課題の解決に関しては、施策・行政などが横断的になされないため、迅速に行える現状にないこともまた事実である▼こうしたなか、日本学術会議臨床医学委員会出生・発達分科会の審議結果をまとめた『健やかな次世代育成に関する提言』がこのほど公表された。そこでは、日本の子どもの健康問題について早急に取り組むべき課題として、身体の健康に関して5課題、心の健康に関して2課題がとり上げられ、系統的・集学的・横断的・戦略的対応が提言されている。具体的には、(1)子どもの死亡登録・検証制度の構築(2)子どもの重度傷害登録・検証制度の構築(3)子どもの虐待防止対策の充実(4)子どもの貧困を減らすための国の施策の実施(5)子どもの在宅医療体制の構築(6)子どもの心の健康対策の推進(7)発達障害支援対策の推進の7課題である▼少子化をめぐってはそれをよしとする意見も聞かれるが、人口ピラミッドがあまりにも頭でっかちになるのはやはり問題だろう。出生率が急に増えることを期待できない今日、生まれてきた子どもには”最善の利益”が与えられるべきである。