糖尿病患者のガン発生リスク

 物事を断定的に書くことの難しさは重々理解しているつもりであるが、そこをあえてさせてもらおう▼それは“糖尿病の人はガンに罹患する確率が格段に高くなる”ということだ。こう断言すれば、推理小説で窮地に追い込まれた犯人の決め台詞「逮捕(断言)するなら証拠を見せろ」と突っ込みたくなろう。状況証拠ではあるが、日本癌学会および日本糖尿病学会からなる委員会が発表した日本人約33万人を対象とした疫学データがそれにあたる▼ガンにもいろいろあるが、糖尿病患者は前立腺を除いて肝臓ガンやすい臓ガンで約2倍、大腸ガンで約1・4倍、その他のガンで約1・2倍と、健常人と比べて発生リスクが高いというショッキングな報告となった。なぜ、リスクが高くなるのかについてであるが、糖尿病の人は血糖値が高いことは言うまでもない▼この血糖値が高いと、正常細胞が分裂して新しい細胞を作る時に、遺伝子情報を正確にコピーできずエラーを起こしやすくなる。それだけガンになる危険度が増すのだ。専門家も「データが示す意味を、糖尿病患者はもちろん一般の人も重く受け止めるべきだ」と警告している▼では、どのように対処したらよいのか。糖尿病と診断されたら、必ず定期的にガンが発生していないかをチェックすべきで、少なくとも年に1回はCT検査、内視鏡検査により体全体を診てもらうことが必須だ。仮にその際、ガンが発見されても、それはまさに早期発見、“不幸中の幸い”となるのだから。