バイオインフォマティクス

 バイオインフォマティクス(bioinformatics)とは、生物学(biology)と情報科学(information science)とが融合した新しい学問分野である▼バイオインフォマティクスはゲノム解析の進歩とともに発展してきたが、今日では、トランスクリプトーム、プロテオーム、グライコーム、メタボローム、フェノームなど、生物学全体を研究対象とする極めて重要な分野となっている。大容量生物系ビッグデータの蓄積がますます増大していくなか、その有効活用にとってバイオインフォマティクスが果たす役割は今後ますます大きくなるとみられる▼こうした状況の下、『大容量情報時代の次世代生物学』と題する報告が、日本学術会議から公表された。そこでは、多様な生物系ビッグデータを関係づける情報解析の方向性が指摘され、それによって解決される可能性がある生物学におけるオープンプロブレム(未解決問題)を再定義、さらに、次世代生物学における新たな分野開拓、人材養成などについても詳しく述べられている▼そのうち、ビッグデータ時代に合わせて定義し直されたオープンプロブレムとしては、(1)生物の起源、進化、多様性(2)生体分子の構造形成と機能相関(3)生命システム(4)ゲノムと環境と疾患の関係(5)意識・精神活動の理解といった、これからの生物学が取り組むべき課題があげられている▼これまでビッグデータといえば大規模加速器実験等、主に物理系の研究分野で取り扱われることが多かったが、今後は、生物学分野においても情報科学に熟達した研究者数の増加が期待される。