F・A・S・T

 冬は、どうしても寒暖の差による血圧の急激な上下が引き金となり、脳卒中の危険度が増す。脳に必要な酸素やエネルギーを運ぶ血管が破れたり、詰まることで起きる▼脳卒中は一般的な用語で、医学用語としては脳血管障害と言う。脳卒中には脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の3つの代表的な症状がある。なかでも脳梗塞には前兆がある。そのサインを見逃すなということである。そのサインは、F・A・S・T(ファスト)と呼ばれる▼FはFace(顔のマヒ):両側の口角を引き上げるようにして”いー”と言って笑顔を作る。これができないと疑いが高くなる。AはArm(腕のマヒ):両腕をまっすぐ前に突き出す際、マヒがある側の腕が回転しながら下がる。SはSpeech(言葉のマヒ):簡単な文章で発音を確認する。特に”ラ行”の多い文章を言ってみるとわかりやすい。そこでこの3つが確認されたらT(Time)、つまり医師に診てもらう時であるということだ▼脳卒中治療ガイドラインによれば、前兆現象発症後約3カ月以内に2~3割の人が脳梗塞を起こすという。ファストは、自分自身であるいは家族、周囲の人々でお互いに確認できることでもある。専門家も「密かに進行するやっかいな病気だが、必ずといっていいほど前兆があるだけに、無視せず検査を受けるべきだ」と指摘する▼命に関わり、後遺症により人生が大きく狂わされてしまうだけに、先手必勝が健康寿命を延ばすチャンスになる。