27年1月23日号

 最近、マスコミを通してのことだが、来日した外国の人達が日本をいろいろな面で評価する機会が多くなってきている。評価は良好のようだが、それにしても取材に応対する外国人が何とも流暢に日本語を操ることか、感心させられる▼ところで、今年の新年号に学術の振興の重要性を紹介したが、学術の振興には言葉(言語)の力が欠かせないのだ。日本学士院の初代院長であった福沢諭吉や第2代院長の西周(啓蒙思想家、教育者)らは明治維新を進める中で、当時どっと日本に入って来た西洋文明を広く庶民と享受するために言葉の大切さを説いた▼そこで、西洋文明の重要な言葉を日本語に置き換える作業に惜しみない努力を注いでいる。Scienceを科学と、Industryを工業と訳すなど、先端の用語を日本語に訳していった。この努力が現在の日本の繁栄をもたらした要因の一つであることは間違いない▼今でも最先端の学術のあらゆる分野の専門書を日本語で理解できるからである。植民地時代から独立したアジア諸国をみると、日本と同じような努力をあきらめた国も多い。つまり、子どもの時から算数や理科を母国語ではなく英語で教える国が少なくない▼ただ、科学技術は今後も進展していくだけに、現代の日本でこれをどこまで続けられるかがポイントとなる。専門家も「柔軟性のある日本語だけに、先人の努力を継続してやっていくべきだ」と強調する。確かに言葉は生き物、日本の発展につながる基でもあるから。