27年2月13日号

 個人情報保護法の改正案が今国会に提出される予定だが、その内容の一部によって、欧米との情報流通が止められてしまう可能性がある。ビッグデータによる新ビジネスの創出など、改正案によって個人情報の活用が促進されることが期待されるが、一方で国際的に取り残されることになっては本末転倒だ▼個人情報保護法は03年に成立した法律だが、その後の技術的進展によって、現行法では規定できない個人情報が次々と生み出されている。SNSやスイカ・GPSの情報などから生み出される情報は個人情報だが、それを従来のように加工したとしても照合できる外部情報が発展した結果、個人情報に戻すことができる。そこで現行法の規定に基づいて完全に匿名化を行ってしまうと、統計的に意味のない情報になってしまい、ビジネスには使えない▼そこで考えだされたのが、個人情報をある程度匿名化した匿名加工情報というものだ。匿名加工情報にすることで別の会社等にも渡すことができるようになるが、外部情報と紐付けるなどの加工を行うことは禁止される。情報の流通を促進にビッグデータ時代の新ビジネスの創出にもつながる▼改正案を見ると、管理・監督を行う個人情報保護委員会への届け出は、1次情報から匿名加工情報を作製した事業者のみで、流通先の企業には届け出義務は課されていない。これはEUのデータ保護指令やOECDのガイドラインにも反するものなので、EUやOECD加盟国から個人情報を含むデータを日本に持ち出すことができなくなる。つまり、欧米との情報流通の面で日本だけが取り残されることになるということだ。社会科学への影響も大きいため、法案提出前に再検討が必要だろう。