27年3月13日号

 ドイツの高等教育進学率は42%と日本の51%よりも低いが、年間の博士号取得者数は約2万5000人と日本の倍以上である。だとすると、日本よりも就職が厳しく、ポスドク問題が顕在化しているのではないかと考えがちだが、どうやらそういうことはなく、多くの博士が企業等で活躍しているという。この日独の違いの背景にあるのが、Individual doctorateとructured doctorateという2つのドクターコースである。Structured doctorateというのはいわゆる課程博士コースで日本では一般的なものだが、博士全体の10%程度でしかない。ドイツで主流となっているのはIndividual doctorateである。
 Individual doctorateでは、自分の働き口を確保することから始まる。大学の研究室、研究機関、企業等で職を得て、その上で自分がやりたい研究を指導できる指導教授を探す。約3分の2は、大学のリサーチ・アシスタントの職を得るが、必ずしも指導教授の研究室で働くわけではない。つまり、金銭的に独立しているため、自分のやりたい研究を独立して行えるのが特徴だ。
通常、博士号取得までの期間は3~5年間。新たな研究成果を生み出したと指導教授に認められると、博士号取得プロセスに入る。口頭試問に合格し、博士論文が出版されることで博士号が授与される。ドイツ企業では多くの経営者が博士号を取得しており、給与も20%以上違うという。ただし、募集要項では、課題設定能力、コミュニケーション能力、全体の俯瞰力、高い専門性を幅広い分野に活かせる能力などを明確に求めており、Individual doctorateでないと採用されないのが現実だ。日本の博士課程についても再考する必要がある。