27年3月27日号

 ドコサヘキサエン酸(DHA)、ヒアルロン酸、グルコサミンなど、現代の健康志向社会では多種多様なサプリメント成分が市場に出回っているが、古くからよく知られ、最も広く利用されているのはビタミンである。1912年、生命のアミンという意味でC・フンクにより「vitamine」と名付けられたビタミン(vitamin)は、生物の成育や生存に必要とされる栄養素のうち、糖質(炭水化物)、タンパク質、脂質の3大栄養素以外の有機化合物の総称である(無機物はミネラル)。ビタミンを初めて抽出、発見したのは、鈴木梅太郎博士であったが、日本語で研究成果を発表したため、世界に広まらなかったという。ちなみに、ビタミンは物質名ではなく、機能によって分類され、例えばビタミンAはレチノール、レチナール、レチノイン酸、ビタミンCはL-アスコルビン酸からなる。日本薬学会誌『ファルマシア』3月号では特集「ビタミン この古くて新しき世界」が組まれており、世界のビタミン研究をリードしてきたわが国の現役研究者によって最先端の研究が詳述されているが、発見から100年以上経った今でも研究テーマに事欠かない”ビタミンの奥深さ”が感じられる。また、同号のオピニオン欄では、武蔵野大学薬学部SSCI研究所分析センター長の阿部皓一さんが、「わが国ではエビデンス・ベースド・メディシンに則って種々の研究がなされてきた。このことがハイレベルのビタミン研究を維持していると言っても過言ではない」と指摘している。そうした研究姿勢が社会的信頼を得るうえで不可欠であることは言うまでもない。