27年4月3日号

 失敗を恐れず困難な研究に挑戦する、国の革新的研究開発推進プログラム「ImPACT」のキックオフ・フォーラムが3月24日に行われた。大学生や高校生なども参加するフォーラムで、難しい最先端の研究プロジェクトを、一般にも分かりやすい形で紹介する演出だった。ImPACTの特色は、研究開発の企画からチーム編成、予算配分まで大きな権限を持つPM(プログラム・マネージャー)が、総合プロデューサーとして計画全体のマネジメントを行う点にある。日本では馴染のうすいPM制度で、その成否に国内外の注目が集まっている。それだけに、選ばれた12名のPMの能力や経験、そして何よりも困難に取り組む覚悟や情熱、やる気が問われる試みである。登壇した各PMからは「新産業を創出する」「世界との研究開発競争に勝つ」「安全・安心や環境負荷低減、防災に貢献する」「もう元の職には戻らない片道切符のつもりで取り組む」など頼もしい発言が続いた。是非とも、その発言どおり果敢に挑戦し、イノベーティブな研究を進めて、日本の科学技術、そして産業の再生につながる結果を残して欲しい。製造業を中心とした日本産業の低迷は、いまだ本格回復の兆しが見えない。イノベーションが重要だとされ、様々な施策が進められてきたが、いまだ科学技術分野で大きな変革もない。もしもImPACTが、世界から注目を浴びるような成果を生み出すことができれば、PM制度の高評価にもつながり、日本の科学技術イノベーション推進の一つの道標となろう。ハイリスクで失敗を恐れずとはいうが、やはり失敗して欲しくない。キックオフ・フォーラムでの演出のように、国民に分かりやすい形で、これがイノベーションだという成果を示して欲しい。