27年4月24日号

 相変わらずネット犯罪が横行している。インターネットバンキングの不正送金も、最近被害が急増している犯罪の一つだ。そこで、警視庁サイバー犯罪対策課が「ネットバンキングウイルス無力化作戦」に動き出した。同課の発表によれば、ネットバンキングの不正送金被害は、昨年一年間で1876件、約29億円にも上るという。過去最悪で、手口も一段と悪質・巧妙化している。 そこで同課は、主に日本を標的としているとみられる、ウイルス感染した端末の情報を入手し、世界中で約8万2000台(うち国内約4万4000台)の端末を特定したという。日本独自で、こうした大規模なボットネット(ウイルスのネットワーク)を撲滅しようという取り組みは初めてで、同課は「ネットバンキングウイルス無力化作戦」と銘打ち、セキュリティ事業者の協力を得て、感染端末の不正送金被害を防ぐ対応策に乗り出している。この作戦には、情報通信行政を担当する総務省と国内の主要電気通信事業者・ISPで構成するTelecom―ISACJapan(一般財団法人日本データ通信協会テレコム・アイザック推進会議)が協力している。同会議から国内ISP事業者に対して感染者の情報提供を行い、各ISPから利用者へ注意喚起を促し、感染端末の利用者に対してウイルス駆除を要請しようという取り組みである。ネット犯罪は犯罪者の顔が見えにくく、その根っこを断ち犯罪者を捕らえるのが難しい。それならば、犯罪の実をならす側の花を摘もうというのがこの作戦だろう。ネット犯罪が一向に減らない大きな理由は、ネット利用者の多くがウイルスなどへのセキュリティ対策に長けておらず無防備なことだ。今回の作戦は、そうした利用者の弱点を突く犯罪に効果が見込め、安心・安全なネット利用を支援する良い作戦である。