27年5月1日号

 IT利活用社会構築のための制度改革について、産業競争力会議新陳代謝・イノベーションワーキンググループでも検討が進んでいる。2020年に日本を世界で最先端のIT・イノベーション国家とするため、ITを活用することを全ての原則としたIT前提社会の実現、マイナンバーを活用したIT国家の実現、新経済・新サービスの創造促進という観点から法的環境の整備を行う。IT利活用のための法整備については、山口俊一・IT担当相もその必要性を訴え、IT戦略本部に検討を指示しているが、「特に(ワーキンググループの)三木谷さんと連携しているわけではない」と話している。つまり、別々に検討を進めていても、世界最先端IT社会を実現しようという目的が同じであれば、同様の課題と解決策に行き着くということである。最先端の研究でも同じような発見が、時期を同じくして発表される場面というのは多い。ES細胞の発見がその後の生命科学に大きなイノベーションをもたらしたのは、好例の一つだ。今回、2つのグループで検討が進んだ背景には、マイナンバーの導入がある。健康保険、年金、税金、住民登録など、多くの公的サービスがバラバラに管理されているため、ムダが生じるだけでなく、悪意を持った人物による犯罪などに利用されることもある。もちろん、個人情報の保護などは重要だが、少子高齢化が進み、社会保障関係費が増大していく社会モデルにおいては、マイナンバーと公的サービスを紐付けることで投資コストを最適化する必要がある。ただし、両者が指摘するようにそこには既存の法制度や業界などの壁があり、それを如何に突破していくのかが課題だ。