27年7月3日号

 情報通信ネットワーク産業協会(CIAJ)がまとめた、2014年度通信機械生産・輸出入概況によれば、2014年度通期(4月~3月)における通信機器の国内生産額は9131億円、前年度比11・5%減となり、3年連続の2桁ダウンとなった▼ピーク時の2000年度に4兆1977億円あった通信機器国内生産金額は、いまや4分の1まで縮小し、13年度の1兆311億円からさらに落ち混んで14年度は遂に1兆円を下回った▼その背景には、かつて急成長を遂げた携帯電話の国内市場が飽和に達し、倍増の勢いで伸び続けた携帯電話端末生産が、その頃を機に縮小へ転じたことがある。また、多くの国内通信機器メーカーが、海外メーカーとの市場競争のために生産拠点を労働コストの安い海外へ移転し続けていることも、国内生産縮小に影響を与えている▼さらに、近年は海外からスマートフォンが上陸して国内携帯電話市場を奪い始め、携帯電話端末生産の縮小を加速させている。この間に、世界の携帯電話市場は途上国などを中心に急拡大したが、日本からの携帯電話端末輸出は伸びず、国内生産拡大には結びつかなかった▼日本の情報・エレクトロニクス産業の近年の世界市場での競争力低下は著しく、それに対する日本の危機感のなさを警告する声もある。世界へ拡大しなかった日本の携帯電話端末は、そうした事情を象徴する一つだ▼かつてはTVなどの家電製品はじめ、ファクシミリやボタン電話、交換機などの通信機器は世界市場で競争力があり、輸出も好調であった。その通信機器の国内生産額が大きく縮小した。海外生産シフト分は統計が無いので不明だが、それを加えたとしても大変な落ち込みだろう▼やはり危機意識を高め、閣議決定した日本再興戦略の具体的施策として取り組むなど、国を挙げてのてこ入れが必要ではないか。