27年7月10日号

 現在、大学改革と競争的資金改革との一体改革が進められているが、この改革の成否は大学に「経営」という観点が導入できるかどうかにかかっている。先日閣議決定した成長戦略では、競争的資金に原則、間接経費30%を措置することが盛り込まれたが、その有効活用には、大学のマネジメントが欠かせないためだ▼文部科学省は1日、大学における内部規則等の総点検・見直しについての調査結果を公表した。学校教育法・国立大学法人法などが改正され(4月1日施行)、学長や教授会の権限や役割、学長選考に関する事項などが明確化された。学長がマネジメントを行う際、法律上は学長に権限があるにも関わらず、様々な内部規則等によって手足を縛られているという実態があったためだ▼調査結果では、校務に関する最終的な決定権が学長にあることが、法令改正前から担保されている大学は1125校中の44・7%、法令改正後に担保した大学は54・7%となっている。また国立大学や法人化された公立大学では、教育公務員特例法に基づいて教授会に権限を認める規定が、法改正の趣旨に反する形で残っていることが指摘されていたが、全165校中、44・8%で残っていたが、6月までに当該規定を改正した▼さて、これで学長が主導的に大学経営を行う環境は整ってきたが、まだ足りない部分がある。インプット・アウトプットの状況把握である。例えば、研究室毎の図書館データへのアクセス状況、機器の利用状況、学生の就職とその後の活躍の状況、間接経費の使用状況など、様々なデータ基盤が経営判断には欠かせない。文科省には、一見地味だが、重要な基盤整備を支援していくことが求められている。