27年7月17日号

 遺伝子とは特定のタンパク質の設計図であり、ヒトゲノムとは、人間には2万種以上あるとされる遺伝子遺伝子の集合体のこと▼何を今更と思われる方もいるだろう。かれこれ20年以上前になろうか、記者として駆け出しの筆者などは、国際戦略上重要なキーワードとしてその本質を頭にたたき込むのに四苦八苦していたものだ。当時をよく知る関係者は「ヒト・イネゲノム解明プロジェクトなど、欧米に負けじと、我々や記者諸君が、毎日のように勉強会を開き、熱き議論を戦わせた」と振り返る▼ところで、遺伝子とゲノムとはまさに似て非なるものである。例えば遺伝子検査とゲノム検査。筋ジストロフィーなどの病気は、特定の遺伝子の異常が原因で起こることが知られているが、遺伝子検査でその異常が分かれば病気に罹っていると診断できるできるわけだ。一方で、糖尿病や認知症など生活習慣病をはじめ体質などは、最近の研究成果からゲノム全体に支配されているだけに、ゲノムを詳しく調べれば、将来罹りやすいかどうかを予測できる。ゲノム検査とはそれを可能とするものである▼つまり、専門家によると「特定の病気の診断に役立てられるものが遺伝子検査で、これは診断だけにもちろん健康保険が適応される。ゲノム検査は病気の可能性を判断する手段であり、診断ではないため医療行為とは見なされずに民間業者に依頼(有料)して行われる」としている▼とにかく、科学技術の進展は日進月歩。理解を求める戦いは日々続くようだ。