27年8月28日号

日本の研究の競争力が低下した原因は国際共著論文の生産量がイギリスやドイツに比べて伸びなかったことや、論文そのものの生産量も少ししか増えなかったためだ。では、その背景にはどのような政策があったのか▼総合科学技術イノベーション会議の有識者会合等でも、先週号で報じた日本の存在感の低下について議論がなされているが、残念ながら、中国や韓国の躍進にばかり議論が及び、日本が伸びなかった原因の追究と今後の取り組みについては話題にならなかった▼この十数年を振り返ってみる。マクロで見ると、科学技術関係予算は増加しているものの、FIRST、ImPACT、SIPなどの大型プロジェクトに大きな予算が投入されたものの、基盤的な経費は削減されてきた。国際共同研究を進める枠組みもあったものの、大型のものが多く、数は少ない。科研費の国際共同研究枠は今年になってようやく始まったものだ。一方で、若手研究者を海外派遣するためのプログラムが実施され、大型プロジェクトには多くの海外機関に所属する研究者が参加するようになった。結果として、国際共著論文の数は日本でも増えたが、国内論文は低下した▼インパクトの高い国内論文を増やすことも重要だ。異分野融合がひとつのキーワードとして考えられる。大学・研究機関における機器の共用化は効果的な取り組みであるが、競争的資金制度の壁や研究者の意識、大学・研究機関のマネジメント不足などとも相まって、欧米の大学・研究機関ほど進んでいない。他にも科学技術基本計画に書かれていながら、十分に進んでいない取り組みは多い。CSTIには、問題の洗い出しと5期計画への反映を期待したい。