27年9月11日号

 9月1日の「防災の日」には、政府の総合防災訓練をはじめ、全国各地で多くの防災訓練が行われた。甚大な被害を及ぼした大正12年の関東大震災にちなんだ「防災の日」に、毎年災害への知識を深め、それに備える心構えを準備することはいいことである▼しかし、長年東京圏に暮らし、都心まで毎日通勤していてよく思うことがある。近年の都心の高層ビル化への不安である。新宿副都心の高層ビル群建設以降、東京圏では高層ビル建設が相次ぎ、さらに再開発によって都心の高層ビル群化が近年加速している▼地震大国の日本で、これほど高層ビルをたくさん建設して、本当に大丈夫なのかといつも思うのである。平成23年の東日本大震災では、確かに崩壊などの大きな被害が発生した高層ビルはなかった。ただ、それは都心を直撃した地震ではなかったからではないのか▼東日本大震災では、身近な汐留の高層ビル群が結構大きく揺れ動くのを見て、壊れるのではとゾッとする思いをした記憶がある。過密な都内では地代が高く、高層ビル化は止むを得ないからといっても、これほどのビルの高層群化は最善策とは思えないのである。より安全な都市づくりが他にあるのではないか▼大丈夫だと思われていた釜石市の巨大堤防や、安全だといわれた福島の原子力施設を破壊した、予測を超えた東日本大震災の脅威を忘れてはならない。その教訓を生かすことが今後へ向けて大切なのである。高層ビル群に隙はないのか、油断は禁物である▼新宿をはじめ、霞が関、六本木、大手町、丸の内、新橋、品川等々、東京圏そしてその中枢である都心への一極集中を誇るかのように聳え立つ高層ビル群。それは経済大国日本の象徴にaはなりえても、安心・安全な日本の象徴にはなりえない。