27年10月23日号

 今年も日本人のノーベル賞受賞者が2人誕生した。医学・生理学賞に大村智・北里大学栄誉教授、物理学賞に梶田隆章・東京大学教授と大変喜ばしい限りである▼観点を変えて別の意味でも喜ばしいことがある。これまでノーベル賞を受賞した日本人の出身大学をみると、京大、東大、北大、東北大、名大といった旧帝国大学の出身者が名を連ねていた。最近では、長崎医科大学、神戸大学、徳島大学そして今年が山梨大学、埼玉大学と地方の国立大が頑張っていることである▼ところで、少子高齢化が進み、地方の中小都市などではシャッター通りが目立つなど地域産業の疲弊が深刻化する中で、政府も“地方創生”を旗印に様々な施策を行っているところだが、その際のキーポイントとなるのが人材である。地域に埋もれている人材の発掘はもちろん若手の人材の育成が急務だ。その一環として、来年の春から“地域”を冠にした学部が地方の国立大学に次々と新設される▼宇都宮大学で地域デザイン科学部、福井大学で国際地域学部、佐賀大学で芸術地域デザイン学部、宮崎大学では地域資源創成学部といった具合である。新設のネライは様々であろうが、根底には地域が抱える課題にチャレンジし、解決方法を学び、活性化させることにあるようだ。佐賀大学では、世界的なブランドである有田焼をベースに陶磁器産業を支える教育・研究を実践するという▼地方の頑張りが日本全体の活性化のカギをにぎるだけに大いに期待したい。