27年10月31日号

昨年は研究不正問題が世の中を騒がしたが、今年は大企業の不正問題が世の中を騒がしている。特に現在進行中のマンション杭打ちデータ偽装は、かつての姉歯事件を思い起こさせるような重大事件といえるのではないか▼いくら科学技術が進歩し、斬新な最先端技術が登場したとしても、それを操る人間の方に問題があっては、人々は科学技術の恩恵にあずかることはできない。こうした問題については、人間を管理する体制や行動を規制するルールなどについて問うのが一般的である▼しかし、仮に厳しいチェック体制やルールなど、様々な防止策があったとしても、ルールを守らず、巧みにチェックをすり抜けようとする人間がいる限り、こうした問題は繰り返され、犯罪などがなくなることはないだろう▼やはり、最終的には、社会や組織の中で生きる、一人ひとりの道徳に対する考え方や倫理感が問われる問題だろう。話しは違うが、JR東日本と電気通信事業者協会が協力して「やめましょう、歩きスマホ。」キャンペーンを、11月2日から14日まで実施する▼この「歩きスマホ」も、全く無くなる様子はなく、街中や駅、ビル、地下街などで日常的にみられる問題だ。「歩きスマホは危険です。迷惑です」と、いくら駅構内アナウンスがあっても、全く耳を傾けていないかのように、目の前を「歩きスマホ」が通り過ぎていく▼こうした日常の行動や思考が、ひいては大きな不正や事件につながっていくのではないか。人を育てるのは、結局のところ教育である。そして、そういう人間について探求するのが、人文・社会科学系の学問である▼科学の進歩・発展は重要だが、科学技術が発展すればするほど、それを操る人間のあり方も一層追求する必要がある。そうしたことを扱う学問の発展は欠かせない。