27年11月27日号

 日本医療研究開発機構(AMED)が研究費をより機能的に運用するための取り組みを進めている▼内閣府のSIP予算を使って、研究費を増額し研究計画を前倒ししたり、公募課題数の拡充等を行える。文科省、厚労省、経産省それぞれのプロジェクト内で課題間の研究費をやりくりし、研究の進展に合わせた研究費の配分もできる。研究費の合算使用による、効果的な研究機器・装置の導入や消耗品の一括購入、費目の大括り化や流用制限の緩和などを可能にしている▼一つ一つは、既に他の研究費でも可能になっていることだ。例えば、費目を4つに大括り化することや直接経費の50%までの費目間流用を可能にすることなどは、科研費では既に可能だ。また、プロジェクト内での研究費のやりくりは、JSTの戦略的創造研究推進プログラムで行われている▼だが、これまでの枠組みの中では、研究費運用の柔軟化を進める文科省、それが一般化すれば導入する経産省、制度的枠組みを守りたい厚労省といった具合に、各省間に温度差があり、それぞれの研究費に異なるルールが適用されていたため、現場で混乱が生じ、結果として、非効率な研究費の活用が行われてきた▼AMED予算は、文科省の598億円、厚労省の474億円、経産省の177億円を合わせて、1248億円。さらにSIP予算のうち175億円が調整費として配分される。これまでバラバラに運用されてきたこれらの予算が一つのルールのもとで運用されることの意味は大きい。事務負担を減らし、合算使用や課題間のやりくりで無駄がなくなる。つまり、研究費の実質的な増額と同様の効果がある。こうした取り組みを他の制度にも広げていく必要がある。