27年12月18日号

 子供の薬というのはほとんどない。採算性が低く、小児患者を対象とする特殊性などから製薬企業が消極的であるため、小児用薬剤の開発は進まず、多くの場合、大人の薬の用量を減らして、子供に処方しているのが現状だ▼学会などでは、どの程度の容量が最も効果的なのか、あるいはどの程度以上を処方すると副作用の危険があるのか、日々、検討が進んでいるが、十分なデータが得られていない。例えば、乳幼児の場合、数ヶ月違うだけで、全く違う個体といっていいほど、体重や代謝などが変わってくるため、時系列も含んだ細かなデータがないと正確な分析ができない▼国立成育医療研究センターでは、全国の小児医療機関等から小児における副作用情報や投与量情報などを収集、分析、評価する「小児と薬情報収集ネットワーク整備事業」を実施している。日本小児総合医療施設協議会加盟施設を中心に、小児領域に特化した33施設・約5500小児病床のネットワークを構築している▼だが、こうしたネットワークで集めることのできる情報はごくわずかでしかない。地方自治体によっては、個人情報保護法を理由に情報提供を行わないケースがあるためだ▼個人情報保護法が改正され、今後、こうした情報を取り扱う代理機関(仮称)が創設されることになっているが、日常的に幅広い診療情報を得るためには、地方自治体などに対して情報提供を義務付けることが必要である。少子高齢化で子供の数が減っている中、未来を担う子どもたちが健康に生活できるようにするためには、こうした基盤を構築し、小児医療のレベルを上げなければならない。また、新たな小児用医薬品開発にもつなげていく必要がある。