28年1月22日号

 研究設備・機器の新しい共用システムの導入について、一部の研究者からは「自分が獲得した研究費で購入した研究装置を、どうして研究費を取れないような研究者に貸し出さなければならないのか」といった反対意見もある。もちろん、そういった気持もわからないことはない▼ウイーンには、オーストリア・アカデミーと産業界が共同で設立したIMBA(Institute of Molecular Biotechnology)という研究所がある。各研究室には、非常にシンプルな研究装置しか置いていない。IMBAの運営費や競争的資金(政府・EUなど)で購入したほとんどの研究設備・機器は、機器共通センターに設置されており、研究者が試料を持って行くと、翌日から数日後には、その解析データが研究室に届けられる。所屬する研究者は「研究者は考えることが仕事であり、解析は専門のプロフェッショナルが行っている」と話す▼もちろん、これはライフサイエンス系の研究所の話である。大学では様々な研究を行っており、例えば、分析装置や解析方法そのものを研究している研究室もある。だが、スタンフォード大学やハーバード大学などでは、研究設備・機器の共用システムは既に導入されている。研究を効率化するだけでなく教育効果が高いことや異分野融合などにつながり、結果として大学の競争力を高めることができるためだ▼第5期科学技術基本計画では26兆円という投資目標は設定したものの、財政健全化の前提があるため、当初予算ベースでの達成は難しく、補正予算頼みだ。運営費の効率化が避けられない中、大学教員は目先の利益だけでなく、トータルでの利益を考え、選択しなければならないだろう。