28年2月5日号

1月22日に閣議決定された政府の第5期科学技術基本計画では、人類がこれまで歩んできた狩猟社会から農耕社会、工業社会、情報社会に続く新たな社会として「超スマート社会」を掲げ、その実現に向けた一連の取り組みを「Society5・0」として提唱した▼「超スマート社会」は、仮想的なサイバー空間と現実社会であるフィジカル空間が高度に融合した未来社会である。「Society5・0」には、その新たな社会を生み出す変革を、科学技術イノベーションが先導していくという意味を込めたという▼まさに、コンピューターと情報通信技術が築いたサイバー空間を、現実社会と高度に連携させて、これまでになかった新社会を実現しようという発想である。これまで得意とするものづくりに励んできた日本の新たな挑戦といえよう▼必要なもの・サービスを、必要な人に、必要な時に、必要なだけ提供して、多彩なニーズに細かく対応し、あらゆる人が質の高いサービスを受けることができ、年齢や性別、地域や言語などの壁を乗り越えて、活き活きと快適に暮らせる理想的な社会が「超スマート社会」だという▼しかし、これまでにも高度情報社会をはじめ、いくつもの未来社会構想が政府によって打ち出されてきたが、どこまで実現できたかの検証はほとんどない。日本の経済・産業再生という目標へ向け、科学技術イノベーションに大きな期待を込めた第5期基本計画だが、計画が実践できなければ目標も遠のく▼計画で掲げた世界に先駆けた「超スマート社会」の実現を、ぜひ実践してほしい。そのためには、毎年度ごとに計画を細かく検証し、調整・見直しをはかりながら進める必要がある。計画の着実な進行。それが実現成功への近道だと思う。