28年2月12日号

特定国立研究開発法人による研究開発等の促進に関する特別措置法案が今国会に提出される▼法案では、特定国立研究開発法人は、産学官の人材・知・資金を結集し、イノベーションシステムを強力に駆動させる中核機関として位置づけられる▼PDCAサイクルで見ると、PLANで基本方針や中長期目標の策定にCSTIが関与。DOでは、業務運営の効率化ではなく「改善」を進めるとともに、情勢変化に応じて迅速な対応を主務大臣が求め、また卓越した人材への報酬・給与の支給基準の柔軟化、研究開発等の特性である、長期性・不確実性・予見不可能性・専門性などに政府は配慮する。CHECKでは、CSTIの意見を反映した主務大臣による成果の評価を行う。ACTIONで、研究開発成果の創出が見込まれない場合は主務大臣が法人の長を解任できるようにしているほか、政府は適当な時期に制度のあり方を検討し見直すとしている▼これだけを見ると、特定国立研究開発法人になることによるメリットはあまり感じられない。例えば、報酬・給与が多く支給できるようになるといっても、財源は別の論理で決まるからだ▼しかし、よく見ると業務の効率化が改善になり、研究開発の特性に政府は配慮するとなっている。これは中長期目標を立てる際の評価軸をより自由に設定できることを意味している。これまでのような論文数や特許数ではなく、研究の質そのものを評価軸として設定することができれば、特定国立研究開発法人になることは現場の研究者にとっては大きなメリットになる。ただし問題は、主務官庁や法人自身がこのことを理解して、それを活かす評価軸を立てられるかどうかであろう。