28年4月22日号

肉親との死別やごく親しい人との別れといったことなどで精神的にも参っているとき、往々にして病魔がその隙間に乗じて襲ってくる▼国立がん研究センターや大阪大学などの研究チームがまとめた調査結果によると、死別や離婚などによって配偶者を失った人は、状況の変わらない既婚者と比べて脳卒中発生リスクが3割近くも増えたそうだ▼この調査は、全国9地域の45歳から74歳の既婚の男女・計約5万人を平均で15年間にわたり追跡し、その間に脳卒中を発症した2134人について、婚姻状況の変化との関連を調べたものである。婚姻状況が変わらなかった人を1としたときに、死別や離別した人の脳卒中リスクは男女とも1・26倍となった▼このうち出血を伴う脳卒中は男性が1・48倍、女性で1・35倍となった。しかも、配偶者を失って子供と同居している人は、男性で1・44倍、女性1・45倍と高かった。「配偶者を失ったことに加えて親としての責任感が働いた影響による可能性があるのでは」という▼今回の結果について著名な臨床医は「男女差はみられないように思われます。もともと男性は、出産を経験する女性に比べてストレスに弱い生き物なのです。それが連れあいが亡くなったりすることで食生活の乱れなどが作用して脳卒中のリスクが高くなるのでしょう」という▼脳卒中は、高血圧や飲酒、喫煙などの生活習慣が大きな発症要因になるとされるが、さらに生活環境の変化も考慮に入れるべきかもしれない。