28年5月13日号

国立科学博物館の「恐竜博2016」に子供を連れて行ってみた。ゴールデンウィーク中ということもあり、50分待ちでの入場となった。大変な混雑だったが、スピノサウルスの全身復元骨格など、日本初公開の展示物が数多くあり、とても楽しめた。子供も喜んでいたが、一番興味を持ったのは特別展ではなく、常設展の方だった▼科博は、明治10年に開館したナショナルミュージアムであり、同時に研究機関でもある。地球と生命の歴史、生物と地球環境の多様性を解明し、科学技術の発展過程を明らかにするため、最先端の方法を用いた研究とともに、標本や資料に基づく実証的・継続的な研究を行っている。世界各地から集めた標本資料は370万点を超える▼連携大学院として、東大、茨城大、東京農工大から大学院生を受け入れているほか、日本学術振興会の特別研究員を受け入れたり独自の特別研究生制度を設けたりしている。また、大学院生が自分の研究について深く考え、一般の人などに伝える能力を高めるための講座を開設するなど、次世代の研究者の養成にも取り組んでいる▼先日、新江ノ島水族館が人気を博しているが、その背景には飼育員のコミュニケーション能力を高めるための努力があるという話をTV番組で見た。やはり、現場を本当に理解している人間が伝えようとすることが、子供たちに感動を与えるのであろう▼サイエンスコミュニケーターの育成が一時期取り沙汰されたが、やはり政府からの研究開発投資を増やすためには、研究者一人ひとりが自らのコミュニケーション能力を高めて、国民の理解を得ることが大切なのではないだろうか。