28年5月20日号

以前、本紙記事で発達障害関連で自閉症スペクトラム(ASD)について取り上げたことがある。この症例は小児や思春期の若い人にみられるものだと思っていた▼ところが大人にも発達障害が数多くみられ、最近特に顕在化してきているという。そもそも発達障害とは、主にASDのほか、注意欠陥多動性障害(ADHD)、学習障害(LD)などを指すが、統計の取り方にもよるものの、これら3つを合わせると100人のうち2、3人くらいの割合で発症しているというからちょっと驚きである▼発達障害は医学的には脳機能障害の一種で、症状は、人とのコミュニケーションが取りづらく社会生活を送ることが困難となり、原因が分からずに悩み、社会にとけ込めず、生きづらさを感じてしまうというものだ▼専門家は「ASDの場合、一芸に秀でた人や仕事をバリバリやる人にもみられますが、とにかく人との関係が作れない。それが顕著に表れますね」と指摘する。しかも大人になってから突如発症するのではなくて、子供の時から引きずっているケースが多く、社会生活を送る中で明らかになってくるという▼知的にも見かけの上でも何の問題もないため、自ら受診することは少ない。診断は、日常生活に困難が生じている場合に医師の主観的な判断によってなされるが、最近では最新の薬や医療機器が投入できるようになってきている▼あとは社会全体の理解のほか総合的な医療体制の整備が望まれている。