28年6月10日号

まだ6月中頃であるというのに、日本各地で熱中症が発生している。熱中症は、環境温の変動に対して体温調節系の反応が正常に維持できないから起きる▼そもそも人間を含む哺乳類は、環境の温度が変化しても一定に体温を保てる動物、恒温動物(内温動物)なのである。だから、外気温が低い時には体内で熱を産生し、逆に高いと放散して平衡を維持している。この体温を一定に保つ能力があるからこそ健康で快適な暮らしが送れるのである▼健康な人の基礎体温は約36・5度Cで、細胞の新陳代謝が活発で、免疫力も高く、病気をしない状態を保つことができる。例えば、ガン細胞は35度C台で一番増殖するが、39度C以上になると死滅していく。ガン細胞が増えるのは、体温が低下したからだといえる▼その証拠として高い温度を保つ心臓や脾臓にはガンは発生しなくて、管になっていて冷えやすい臓器(食道、胃、大腸、子宮、肺など)に発生しやすいのである。生理学者も「体温が36・5±1度C。これを自然治癒力を維持できるバイタルサインとして記憶しておくべきだ」として指摘している▼これから夏本番を迎える。特に高齢者や子供は、暑さに対する感覚が鈍く、身体の反応が弱くなっている。熱中症にかからないために、日頃から水分や睡眠を十分に確保して、代謝を上げるための運動をはじめ体を温める食物の摂取を心がけてほしい。