28年6月17日号

 総務・文科・経産3省における人工知能(AI)技術の研究開発を連携して一体的に進め、世界最先端のAI技術を実現させるため「人工知能技術戦略会議」が4月に発足するなど、国をあげたAIの研究開発が加速しつつある▼一方、現在のAI技術を活かした、自動車運転支援や市場分析・需要予測、映像解析、顧客サービス支援など、企業の様々なサービス・システム開発も盛んである▼特殊能力や熟練を要する作業など、AIが必要とされる分野はたくさんあるだろう。しかし、何もかもすぐにAIができるものではないと思うし、すべてがAIにとって代わっていいとも思えない▼例えば、いま注目されている自動車の自動運転技術。高速道路のように信号機がなくて、歩行者や自転車、動物などが混在しないところならば、そう遠くない日に自動運転車が走行可能になるかもしれない▼しかし、それらが複雑に混在し、日常的に混雑する街中の道路で本当に可能だろうか。まだ多くの時間を要するように思う。また、人の命を預かるような医業はどうか。すでに手術ロボットは実用化されているが、適用は手術作業の一部に過ぎない▼手術ロボットにAIを組み合わせ、いろいろな手術を行うことが可能になる日は、本当に来るのだろうか。また、患者の様々な測定データを総合判断して治療行為を行う医療判断や、裁判など、人の一生を左右するような判定にAIを適用しようというのはどうか▼AIの判断はあくまでも参考に過ぎず、最後の決定は人がするというのが現在の結論だろう。しかし、今後AIは間違いなく急進歩する。だから、その適用についても、今からしっかりと検討して議論しておいた方がいい。AIが人にとって代われるかは、これからの重要なテーマだ。