28年7月8日号

携帯電話やスマートフォン、PHSの端末機器に使用されている金属のうち、金、銀、銅、パラジウムなどの貴重な金属資源については、回収した端末から採取して素材に戻し再利用するという、リサイクル活動を関連業界が進めている▼活動を進めているのは、電気通信事業者協会と情報通信ネットワーク産業協会という二つの一般社団法人だ。その両法人が「平成27年度携帯電話・PHSにおけるリサイクルの取り組み状況」をまとめた▼それによると、ここ10年間(平成18年度~27年度)の端末本体の回収台数・比率(実績)は、22年度までは順調に増加してきたが、以降は減少傾向が続いており、27年度も前年度比減の565万8000台・11・4%(前年度619万1000台・14・6%)となった▼その理由は、スマホの普及など端末の多機能化・高機能化が一層進み、通信機器として使わなくなった端末を手元に保存し続けたり、リユース向けに売却したりするのが一般化しているためだ▼アンケート調査により、通信機器として使わない端末の保有理由を調べた結果、「理由はないが手放し難い」27%、「端末に愛着がある」24%、「保存しておきたいデータ(写真、メール、コンテンツなど)がある」22%などとなった。前年度もほぼ同様の結果だ▼処分方法として、専門ショップで「リサイクル目的で引き取ってもらった」37%、また「下取りしてもらった」31%を合計すると68%であった。特に、処分端末がスマホの場合は下取り売却の比率が高い▼かつて、廃棄された携帯電話端末などが都市鉱山などとして注目された時期もあった。それが、多機能化・高機能化の一方で、回収が減少傾向にあるというのは何か皮肉である。ポイント付与など、リサイクルに出させる誘引策なども必要ではないか。