28年8月12日号

生体に必要な栄養素を過不足なく摂取することは、健康の維持に重要だと考えられている▼国立がん研究センターは今年3月、多目的コホート研究の成果として、食事バランスガイドをよく守っている人ほど死亡リスクが低く、循環器疾患死亡リスク、特に脳血管疾患死亡のリスクが低いことを明らかにした。食事バランスガイドは1日に「何を」「どれだけ」食べたら良いのか、健常者の健康づくりを目的に食事の望ましい組み合わせとだいたいの量をイラストで示すもので、平成17年に厚生労働省と農林水産省によりつくられた▼世の中には、摂取すると体に良いと宣伝される食品が満ちあふれている。テレビ番組などがその利点を宣伝するやいなや対象となった食品が売り切れ、品薄状態が続いたりする▼全ての人がそれだけで短絡的に健康が手に入るなどと期待しているとは思わないし、食品であれば目にしたら食べたくなることもあるだろう▼ただ、体に良い食品であるということを証明するにはコホート研究レベルの規模でやっと結論を出せるものだ。さらに人間の体質は個人差が驚くほど大きい。そうしたことはもう少し周知されてしかるべきであろう▼自身に対する作用が知りたいのならば、摂取前および長期摂取後の変化を様々な検査で捉えるしかない。実際、どのような食品であっても、個人の体質により健康に良いどころかむしろ悪影響が出る可能性もある。一方で、特定の疾患に作用すると誤解させる、あるいは科学的に効果が証明されていると誤解させるような製品は、たとえ健康被害がなくとも規制が必要なのかもしれない。