28年8月26日号

文化庁は、地方の文化振興を目指して「地方文化創生本部」を来年度新たに京都に設置する方針だ▼今後数年以内に文化庁は京都に全面移転することになっており、創生本部はその先駆けとなるものとされる。創生本部のモデル事業としては、文化芸術および科学や産業との融合、文化政策の研究などを想定している。関西の自治体や経済団体から職員の受け入れを検討し、8月末までに移転先など決めたいとしている▼ところで、首都の機能移転は、これまでもさんざん議論されてきたことでもあるが、「笛吹けど踊らず」でなかなか進まない面がある。首都圏と簡単に言うが、その中心である東京が周りをどんどんのみこんで、今でもモンスターのように成長し続け、どこまで膨張していくのかはかり知れない。リニア新幹線が開通したら名古屋も通勤圏内に入り、「東京圏」になるかもしれないのだ▼一方で、もし関東大震災や東日本大震災のような大災害に見舞われたら、想像を絶するような状態になることは分かり切ってはいるのだが、多岐にわたる機能をどこに移転させるのかとなると簡単な話ではない。東京は何から何まで便利すぎて、危機感はあっても重い腰が上がらないのが現状のようだ。この文化庁の移転はその試金石となろう▼今こそ地方創生事業を進める内閣府は、地方の魅力を引き出すと同時に、機能を肩代わりできるとすればその具体案を示してほしい。