28年9月9日号

立研究開発法人は成果の最大化が目的だが、通常の独立行政法人と同様の扱いで業務の効率化を目的としていったこの十数年の間に、その運営費交付金は国立大学を上回るペースで大幅に減りつづけた▼例えば、10月に特定研究開発法人になる物質・材料研究機構の法人化直後(2001年)の運営費交付金と施設整備費補助金の合計額は176億円だが、2015年には120億円にまで低下している。実に3割以上も基盤的経費が削減されたことになる▼こうした話をすると財政当局などは「事業費ベースでは増えているか、ほとんど変わっていないのだから問題はない」と反論する。だが、プロジェクトベースの予算は、その目的達成のためにしか使えない上、3~5年の期限付きなので任期付き研究員しか雇用できない。そこで一定の水準まで研究レベルが上がったとしても、それを継続的に維持するためには別の競争的資金を獲得しなければならない上、その研究レベルを維持・向上させるための人員を継続的に雇用することも難しい。結果、論文ベースで見る日本の競争力は相対的に低下してきた▼こうした状況を打破するため、文部科学省は、来年度予算要求・要望に所管する研究開発法人の運営費交付金として18%増の4351億円を盛り込んだ(うち要求額は3340億円、要望額が1012億円で、全体の増額分が664億円)。要望がどの程度認められるかがポイントだ▼イノベーションを創出するためには基盤的な力が必要不可欠である。結果として同じ金額を支出するのであれば、プロジェクトに切り分けるのではなく、より効率的な使い方ができたかどうかを決算ベースで検証するべきであろう。