28年10月21日号

10月12日15時30分ごろ発生した都内の大規模停電は、埼玉県新座市の東京電力地下施設の火災により起こり、16時25分に完全復旧した。都内で一時的に最大37万戸、のべ58万戸に影響を出した。地下トンネルに敷設している送電ケーブルの破損に伴い、絶縁体に使われている油から引火したことで発生したと見られており、東電は調査を行っているという▼火災は最初、新座から練馬変電所への送電線で発生し37万戸が停電。約10分で別回線を介して復旧したが、この火災により近くに敷設してあった豊島変電所への送電線にも被害が広がり、最終的に合計で58万戸が停電した。敷設から35年経過したケーブルからの出火であり、延焼防止シートがかけられていなかったことがわかっている。ケーブルの使用年限は設定されていない▼我が国では高度経済成期以降に整備された社会インフラの老朽化が問題になっており、土木学会なども維持費が後回しになる傾向に警鐘を鳴らしている▼停電が昼間だったため、大きな事故は起きていないが鉄道等が運休し、大きく影響を受けた人も多い。これが夜間だったら、あるいはもっと長く停電が続けば重大な事故が起きていてもおかしくない▼東日本大震災による原子力発電所の事故以来、電力会社の信頼性は揺らいでいるが、本来日本は諸外国と比較して停電の頻度も時間も短く、電力事情は良好なことが知られている▼再発防止の対策および誠実な対応を期待したい。