28年11月11日号

運営費交付金は実質的にそれほど減っていないし、各種補助金を合わせれば国立大学の収入は増えているため、教育研究活動を圧迫しているとの見方は正しくない。財政制度等審議会における財務省の説明である。確かに財務省の説明資料を見ると、そういった数字が並んでいるが、実際の現場の実感は全く異なるものであろう▼04年度と16年度を比較したケースで論じており、附属病院の運営費交付金は584億円がゼロに、退職手当が1149億円から645億円に減、一般運営費交付金は382億円しか減っていないというが、退職手当は毎年の退職者の数で決まるため比較する意味がないし、合計966億円のマイナスというのは経営的には非常に大きい。その間には、電子ジャーナル等の価格が高騰し、法人化したことで労働安全対策関連経費が大幅に増加した結果、運営費を上げている。また、各種補助金等が増えているというが、そうした資金は運営費に充てることはできず、逆に電気代や環境整備費で運営費を増やしてしまった。もちろん間接経費が十分に措置されているわけではない▼さらに科学技術予算については、91年以降、他の主要国と遜色のないペースで拡充しているにもかかわらず、トップ10%論文の割合が低いとして、予算額が必ずしも研究開発の質に結びついていないと指摘している。しかし、この場合の科学技術予算というのは科学技術関係経費のことを指しており、基本計画が新しくなるごとに対象範囲が広がってきた、見かけ上の数字に過ぎない。もちろん、トップ10%論文割合の低さは課題ではあるが、その要因には予算構造そのものの問題もある。文科省には、正々堂々とした反論を期待したい。