28年11月25日号

方の政治評論家やマスメディアなどの予想を覆して、米国の大統領選挙でドナルド・トランプ氏が次期大統領に選出された▼トランプ氏といえば、選挙キャンペーン中から何かと問題発言を連発し、物議を醸した人だ。自国に関する限りにおいては高みの見物で済むのだが、日本に関わるとなるとそうはいかない。例えば、防衛問題で気になることがある。日本が核兵器を持つことを容認するような発言をしていることだ▼現段階で日米の著名な政治家や学者の間では「日本は核兵器を持つようなことはない」との認識で一致していると言っても過言ではない。そう言い切れるのには理由があって、持たないことの担保となっているのが日米原子力協定である。1953年12月に開かれた国連総会で米国のアイゼンハワー大統領は有名な演説「アトムズ・フォー・ピース」の中で、原子力平和利用を世界に呼びかけた▼資源のない日本がこれに呼応し、協定を結び、核武装しない代わりに、米国からの核燃料の調達や再処理、資機材・技術の導入などを認められている。仮に隠れて核兵器開発し、それが発覚したら協定違反となり、どんな制裁でも受けることになっている。それだけに協定の持つ意義は重い。18年7月には協定の期限切れを迎える。従来なら自動延長で済む話だが▼この発言があるだけに、日本として国防に対するきちんとした立場を明確にし、核兵器を持たない正当性を示して米国と交渉に臨むことを期待したい。