28年12月16日号

日本は環太平洋地震帯に位置し、地殻変動が活発で多くの地震が発生する。世界で1年間に発生する地震のうち10~20%は、日本および周辺で発生している▼それらへの対策として、国民の生命・健康・財産の保護のため、建築物の敷地・設備・構造・用途についてその最低基準を定めた建築基準法が存在し、日本ではこれに適合しない構造物は新たに建造することができない。これまで地震で大きな被害が出るたびに、フィードバックを受けてその内容が改正されてきた▼また日本の耐震技術や免震技術、制震技術は、その必要性から高い技術力を誇っている▼同法を適用することで価格が高くなることや、法改正以前に建造された構造物には適用されないなど別の課題はあるが、安全対策はとられている▼さて2020年に開催される東京オリンピックについては、費用が当初の予定を大幅に上回ると予想され対応が注目を集めている▼新国立競技場は価格の高騰を理由にデザインが変更されたほか、比較のためか過去のオリンピックにおけるメインスタジアムや国内のスタジアムの建設費用が報道されている▼一方で地震の発生頻度やその対策費用、人件費も異なり、さらには収容人数も異なるスタジアムとの比較が妥当かは疑問だ。必要なのはそれが導き出された理由であり、科学的研究には当然求められている論理的思考の欠如を感じる▼早くも年内最終号となりました。本年も格別のお引き立てを賜り厚く御礼申し上げます。来年も編集部一同、紙面づくりに誠心誠意努力する所存です。