29年1月1日号

日々進歩する科学技術にとってその成果は、社会にきちんと受け入れられることでさらに成熟するものである▼原子力研究開発に関してもそれは言うまでもないことである。社会に対して「新しい原子力技術はこれです。どうですか」と提案し、社会はそれを評価する。この循環がスパイラルのように進めば、技術も社会も成熟し、発展していく。それが社会とともに進化する理想的な原子力の姿ではなかろうか▼原子力発電に伴い発生する高レベル放射性廃棄物の処分はどうだろう。日本では1970年代後半から地層処分の研究開発が進められ、1999年に「わが国における高レベル放射性廃棄物地層処分の技術的信頼性-地層処分研究開発第2次取りまとめ」としてその成果が示された▼その発表からからかなりの年月が経過した。また、2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震をはじめ多くの自然災害が発生している。それらを受けて、現在、総合資源エネルギー調査会電力・ガス事業分科会原子力小委員会地層処分技術WG(委員長=栃山修・原子力安全研究協会技術顧問)では、第2次取りまとめを踏まえたうえで、改めて最新の科学的知見を反映した地層処分技術に関して再評価の作業を行っているところである▼再評価の成果の公表は少し遅れているようだが、大いに注目している。なぜかと言えば地層処分の問題は、我々一般の人にとっても自らが考えなければならない身近な問題でもあるからだ▼今年もこうした最新の科学技術情報を取り上げ、提供していきたい。