29年6月9日号

最近、将棋のプロ棋士である佐藤天彦名人がコンピューターソフトと勝負したり、世界最強といわれる中国囲碁棋士の柯潔九段が人工知能と勝負したりして、いずれも人間が負けるというニュースが相次いだ▼ついにAIが人間を超える時代が来たのかといった報道などもあり、ショッキングな話として受け止めた人もいるだろう。一定ルールの中で行われるゲームの世界とはいえ、ゲームソフトやAIの進歩に驚きを隠せない気持ちである▼いま様々なコンピューターゲームが登場して、若者から高齢者までがスマホなどを使い楽しむ時代となった。ゲームソフトと人間の攻防が繰り返され、常に進化を続けるゲームソフトの開発が続けられてきた結果でもある▼今回の将棋と囲碁の勝負結果が、そうしたコンピューターと人間の戦いに終止符を打つのかどうかは分からないが、AIやゲームソフトが、娯楽のレベルを超えて進化してきたことを意味するのは間違いないだろう▼一方で、こうしたコンピューターやAI、ICTの急激な進歩を背景に、モノとモノをネットでつなぐIoTや、AIなどの最先端技術が今注目され、ICTを活用した超スマート社会を目指そうと国を挙げた取り組みが始まっている▼しかし、コンピューターやAIがどれだけ進化しても、主役は人間そのものであるはずだ。ゲームの世界では、AIやコンピューターは人間と戦うため、人間の能力を超えるということに開発の目標がある▼一方の超スマート社会では、AIやコンピューターは人間の豊かで安心安全な生活を支援することに意味がある。人間の能力を超える超えないは目標ではない▼そうした視点でAIやコンピューターを開発していくことが、超スマート社会実現に大事なことだ。