29年8月11日号

米国の大学と同じように、ベンチャー企業のIPOで国立大学が独自財源を構築することができるようになるかもしれない▼文部科学省は1日、国立大学や大学共同利用機関が、大学発ベンチャーを支援する業務などの対価として、現金ではなく株式や新株予約権を受け取れることや、それらの株式や新株予約権を適切なタイミングで売却できるとする通知を出した▼これまで国立大学が株式を取得するのは、寄付あるいはライセンスの対価、または出資業務ができる4大学(東北大、東大、京大、阪大)が自らの大学発ベンチャーを支援する投資会社の株式に限られていた。寄付やライセンスの対価として得た株式は、換金可能になった時点で売却しなければならなかった▼1日からはこうした制限が撤廃され、例えば、研究施設やインキュベーション施設の使用料やコンサルタント料などの対価として、ベンチャーの株式や新株予約権を獲得できるようになった。ベンチャーにとっては現金の支出を抑えることができるため、事業展開が容易になり、大学にとってはベンチャーが成功した場合に大きな収入を得られる▼これまで国立大学等には、法律上・政省令上の様々な制限がかけられていた。にも関わらず、財政当局などは自己収入を増やして自立すべきとして運営費交付金を減らし続けてきた。今回の通知は、この自己矛盾を解消するための第一歩となるもので、今後、研究開発力強化法の改正や税制改正などを通じて、さらに自由が与えられるようになる▼様々な制限が撤廃されるということは、言い訳のできない状況になるということでもある。各大学には運営から経営への脱却が求められる。