29年10月20日号

厚生労働省による平成25年の国民生活基礎調査では、65歳以上の要介護者等の介護が必要になった原因は脳血管疾患(脳卒中)が17・2%と最も多くを占め、年々増加している。さらに支援者の高齢化によるいわゆる老々介護も問題になり、健康寿命をいかに長期化させるかが大きな課題となっている▼それに対し、近年ロボット技術を応用したヒトの歩行機能を補助する装置の開発が華々しい成果をあげている。サイバーダインの「HAL」や信州大学の「Crara(クララ)」、オリジンと早稲田大学による「RE-Gait(リゲイト)」をはじめとした、駆動方式や適用の異なる装置が発表されている。これら装置は既にリハビリを目的に病院や介護施設などで利用。安全への配慮から市販等はまだ進んでいないが、その利用を見込んで外見上目立たない使いやすい形状へと開発が進んでいる。近い将来には、装置をつけて外出する利用者が一般的になるかもしれない。これら装置の高度化は、寝たきり人口の減少のみならず、介護者と支援者のQOL向上にもつながる▼一方で、日本では、まだ身体障害者全般に向けた社会インフラの整備は未発達であるように思える。ハンディキャップを抱えた人は日本のどこにでもいるにもかかわらず、盲導犬や介助犬の普及率は低く、進められてはいるがバリアフリー化も十分ではない▼国土交通省は2020年の東京オリンピックに向けてバリアフリー化を進めている。散々いわれているが、こうした人々に優しい環境は、その有無に関わらず多くの人に優しい。日本はオリンピックを契機に多様性を許容してそこを目指せるのか試されている。