29年10月27日号

この世に生を受けたからには、自分の祖先、つまりルーツについて関心を持つ人も多いことだろう▼筆者の場合も祖父母や両親に聞いてみたことはあるが、なかなか判然とした結果には至らなかった。ところでアメリカでは、自分の口の中をこすった綿棒を送り、DNAをチェックするだけで簡単に祖先がどこからやって来たのかが分かるテストの人気が急上昇中である▼アメリカは日本とは違って建国して数百年と歴史が浅いし、ヨーロッパやアフリカの各地からやってきた混血の国でもあり、祖先がどんな民族で、どこから来たのかについての興味は強く、その思いは日本人の想像をはるかに超えるものがあるという▼もともとDNAのチェックは、医学的な利用で行われてきた経緯があり、それを応用して、手軽にしかも安価にルーツが分かるということで人気があるのだろう。受けた人たちからは「知らなかった自分に出会えた」とか「新たなアイデンティティーが生まれた」「人生が豊かになった」などと、おおむね良好な声が聞かれる▼これを日本に当てはめるとなると、歴史も長く単一民族であるだけに、そう簡単にはいかないだろう。ただ、もっと技術が向上すれば、自分の祖先が東南アジアから陸路や海路経由で来訪したのか、あるいは朝鮮半島からやって来たのか、それとももっと北のロシア・カムチャツカ半島から南下して来たのかが分かるかもしれない▼そこにはちょっとしたロマンがあるように思える。