29年12月8日号

大学改革を加速していきたい。林芳正文部科学大臣ではなく、内閣府の松山政司科学技術政策担当大臣の発言だ▼現在の大学改革は、臨時教育審議会の第2次・第3次答申(86~87年)から始まった。これを受け、当時の文部省は、産学連携や異分野融合を進めるため奈良先端大や北陸先端大を、大学共同利用機関での学位取得を可能にするため総合研究大学院大をそれぞれ設置。また、国立大学に民間の寄附講座や寄附研究部門を作ることができるように法改正を行った▼98年には大学審議会(当時)が答申「21世紀の大学像と今後の改革方策について」を取りまとめた。大学の教育、研究、地域貢献、組織運営、評価システムの再構築を求めた。その後にも様々な改革が進められ、04年には国立大学が法人化された。法人化に伴う基盤的経費の削減が取りざたされることが多いが、その間にも改革は様々なレベルで進められてきた▼その進捗が遅いのではないかというのが、現在の官邸や永田町の認識である。経済財政諮問会議や未来投資会議、総合科学技術・イノベーション会議でも、首相から大学改革を進めるよう指示が出ている。これを受けて内閣府では、文科省に任せるのではなく、各省庁と連携して大学改革を加速するための取り組みを進めようとしている▼ただ、中心となるCSTI常勤議員に学長経験者がいないことが懸念材料だ。大学という特異な組織を動かす苦労を知らなければ、共感が得られず、理論が正しくとも人は動かない。何らかの工夫が必要だろう。