30年1月1日号

昨年は米国のトランプ政権誕生による世界情勢の混乱や、北朝鮮の核開発にともなうミサイル発射、相次ぐ国際テロ事件など脅威を感じることの多い1年であった▼国内でも日本を代表する企業の不正が相次ぎ、その国際的信頼低下が心配されるなど、暗い話題が目立った。救いは卓球やバドミントン、スキージャンプ、フィギュアスケート、スピードスケートなど、スポーツ界での日本選手の活躍だった▼科学技術の世界では、残念ながら昨年は日本のノーベル賞受賞はなかったが、引き続き各分野で世界トップ級の研究開発成果がいくつも報告され、世界的に高水準の日本の科学技術の将来になんとか期待をつないでいる▼例えば生命科学やICT、人工知能、ロボットなどの技術進展は目覚ましく、産業やビジネス、医療や生活など、経済・社会に多くの変化をもたらしつつある▼やはり、科学技術は人々の生命や生活を守り、産業・経済を発展させ、人類の幸福を実現するための手段として発展してほしい。それが新年の強い願いである▼一部の国や人のエゴ、贅沢を満足させる手段でなく、人類全体の幸福のためにあるのが科学技術だという認識を、世界中の人たちが共有すべきである▼人類はいま、環境や災害、食糧、人口の問題など、かつてない大きな危機に立たされており、世界が手を携えてこれに立ち向かわなければならない時だ▼高度な科学技術はこうした問題の解決のために役立てるべきものであり、核をはじめとした殺戮兵器開発に力を注いでいる時ではない。