現役女子高校生が学術論文発表

 大阪大学大学院の亀井秀典さん(博士前期課程)、境慎司教授、田谷正仁教授らは、四天王寺高校3年の森陶子さんと共同で、家庭用3Dプリンターで、生きた細胞を含んだアルギン酸ゲル構造体を高精度に造形することに成功した。米国科学誌『Biomacromolecules』に掲載された。
(30年2月16日号)

「遺伝子変異発生を抑制」新たなゲノム編集法開発

 大阪大学高等共創研究院の中田慎一郎教授らの研究グループは、従来法よりも遺伝子変異の発生率を大きく抑制することが可能な新しいゲノム編集法を開発した。
 急速に普及しつつあるCrisper/Cas9システムによる、標的遺伝子にDNA2本鎖切断を入れる遺伝子修正では、ゲノム編集に起因する変異が発生しやすいという問題がある。Cas9変異体のニッカーゼによりニック(DNA1本鎖切断)を用いた場合には遺伝子変異の発生を抑制できるものの、編集効率自体が低下してしまうため、代替手段とはならない。
 研究グループは、これらの問題の解決に取り組み、標的遺伝子とドナープラスミドに1カ所ずつニックを入れる手法(SNGD法)を開発し、ゲノム編集に起因する遺伝子変異の発生を抑制した上で効率的に遺伝子修正することに成功した。
(30年2月16日号)

小児の難治性てんかん”ウエスト症候群”の責任遺伝子を発見

 浜松医科大学医化学の才津浩智教授、同大神経生理学の武藤弘樹助教、秋田天平准教授、福田敦夫教授、横浜市立大学遺伝学の松本直通教授、昭和大学小児科学の加藤光広准教授らの共同研究グループは、小児期早期に発症する難治性てんかん(ウエスト症候群)の責任遺伝子(異常があると当該の病気が発症する遺伝子)CNPY3を発見した。
(30年2月16日号)

「波動か粒子か」物質の二重性を追究

 理化学研究所創発物性科学研究センター創発現象観測技術研究チームの原田研上級研究員、大阪府立大学大学院工学研究科の森茂生教授、日立製作所研究開発グループ基礎研究センターの明石哲也主任研究員らの共同研究グループは、最先端の実験技術を用いて「波動・粒子の二重性」に関する新たな3通りの干渉実験を行い、干渉縞を形成する電子をスリットの通過状態に応じて3種類に分類して描画する手法を提案した。
(30年2月9日号)

マグネシウムイオン濃度上昇が染色体凝縮を促進

 細胞が分裂する際、ヒトでは全長2㍍にも及ぶゲノムDNAが凝縮して染色体を作る。半世紀以上前、細胞に大量に存在するマグネシウムイオン(Mg2+)がこの凝縮の鍵となりうることが提唱されたことがあったが、忘れ去られていた。国立遺伝学研究所構造遺伝学研究センターの前島一博教授、大阪大学産業科学研究所の永井健治教授、慶應義塾大学の岡浩太郎教授、京都大学の今村博臣准教授らの共同研究グループは、蛍光タンパク質技術を駆使してMg2+の高感度蛍光センサー「MARIO」を開発し、生細胞内のMg2+濃度を可視化することに成功した。
(30年2月9日号)

イノベーション戦略調整会議初会合

 政府は2日、統合イノベーション戦略の策定に向けて、菅義偉官房長官をトップに関係閣僚で構成されるイノベーション戦略調整会議の初会合を開催した。松山政司科学技術政策担当大臣は「戦略策定に際しては、科学技術・イノベーション会議と関係司令塔、関係省庁が整合的かつ一体的な戦略を策定することが必要です。このため、戦略策定に必要な関係司令塔、関係省庁の調整を実施する場として、この会議を設置しました。本日の会議はそのキックオフとなる重要な会議です。関係大臣の協力をお願いします」と冒頭で挨拶した。統合戦略は6月に総合科学技術・イノベーション会議で決定する予定。
(30年2月9日号)

日本学術振興会育志賞受賞者決定

日本学術振興会(安西祐一郎理事長)は1月30日、将来、日本の学術研究の発展に寄与することが期待される優秀な大学院博士課程学生18人に第8回日本学術振興会育志賞を授与することを決めた。厳しい経済環境の中で、勉学や研究に励んでいる若手研究者を支援・奨励するために、天皇陛下から賜った御下賜金をもとに創設されたのが育志賞。大学長、学術団体(学会)の長から152人の推薦があり、その中から育志賞選考委員会(委員長=佐々木毅・国土緑化推進機構理事長)が選考した。授賞式は3月6日、日本学士院で開催される。受賞者には、賞状、賞牌、副賞として学術奨励金110万円が贈呈される。
(30年2月9日号)

RANSでオーステナイト相分率測定に成功

理化学研究所光量子工学研究領域中性子ビーム開発チームの池田義雅特別研究員、大竹淑恵チームリーダー、日本原子力研究開発機構物質科学研究センターの鈴木裕士グループリーダー、東京都市大学工学部の熊谷正芳講師らの共同研究グループは、理研小型加速器中性子源システムRANSを使って、鉄鋼材料軽量化の鍵となるオーステナイト相分率の測定に成功した。鉄鋼材料の品質管理や研究開発に適用できる。
(30年2月9日号)